あ行
育毛シャンプー
育毛シャンプーとは、通常の髪の汚れを落とす成分に加え、育毛促進に有効な成分が入ったシャンプーのこと。頭皮に栄養を与え、頭皮環境を健康に導く効果が期待できます。ただし育毛シャンプーは刺激が強いため、頭皮状態が悪い状態での使用はNG。さらなる頭皮環境の悪化を導き、逆に薄毛の原因となってしまうこともあるため注意が必要です。
M字部
額の両サイドの生え際部分のこと。AGA治療薬の効果が出にくいと言われている場所で、男性型脱毛症(AGA)患者によくこの部分の脱毛が見られます。
円形脱毛症
円形脱毛症とは、頭部に10円玉程の円形の脱毛が見られる脱毛症のこと。男性型脱毛症(AGA)とはその原因が異なり、自己免疫が正常に行われなくなるために起こる自己免疫疾患の一種だと言われています。
AGA(エージーエー)
AGAは男性型脱毛症とも呼ばれ、成人男性の3人の1人が発症すると言われている疾患です。発症する年齢は30代~50代の男性が主ですが、近年は20代~30代前半の若い層にも広がっています(若年性脱毛症)。発症すると頭頂部や額の生え際の後退が見られ、徐々に薄毛が進行していきます。ヘアサイクルの成長期が短くなる影響で太く健康な髪が育たず細くてハリのない髪の状態で髪が抜け落ちてしまうため、髪が薄くなったように見えます。原因としては、遺伝や精神的なストレス、男性ホルモンの変化などの様々な要因があると言われており、医療機関での治療が可能です。
か行
カバーシート
移植のドナー採取の際におこなった刈り上げ部分を隠すために付ける、人工毛の部分つけ髪(かつら)のこと。自毛の一部に結び付けて装着し、自毛が伸びてきたら外します。
株分け
株分けとは、FUT法(ストリップ法)を使用した自毛植毛手術において、メスで切り取ったドナー部分の皮膚を移植するために毛包単位に切り分けることを指します。
休止期
毛母細胞の細胞分裂が停止し、脱毛が始まる期間のことを休止期と言います。人の髪の毛には、生え始めから成長し抜け落ちるまでの毛周期というヘアサイクルがあり、毛周期には成長期・退行期・休止期という3つの期間があり、常にこの3つの期間が繰り返しおこなわれています。成長期に成長した髪が退行期に抜け落ちると、2~3カ月ほどの休止期を経て新しい髪へと生え変わります。薄毛になると、成長期が短く髪が十分に成長しない状態で抜け落ち、休止期も長くなっていきますが、そうすると次第に髪の毛が生えてこなくなり、いわゆる「ハゲ」の状態になります。
拒絶反応
移植手術をおこなった後に起こる副反応のこと。移植した部位に腫れや炎症が見られたり、感染症にかかったりすることもあります。人工の毛を移植する人工毛植毛では拒絶反応のリスクが高く、自分の毛包細胞をドナーとして使用する自毛植毛では逆にリスクが低くなります。
グラフト
グラフトとは、1株あたりの単位のこと。グラフトには髪の毛の他、毛母細胞や休止期の細胞なども含まれています。
さ行
脂性フケ
頭皮の皮脂が過剰分泌されることで発生した湿ったフケのこと。なかなか治りにくく頭皮の炎症の元となることもあるため、脂性フケが見られたらシャンプーでしっかり洗い流すことが必要です。脂性フケの起こる原因として、洗髪不足や脂質の多い食事の摂りすぎや睡眠不足、ホルモンバランスの乱れなどがありますので、シャンプー剤などをしっかり洗い流すのに加え、脂っこい食事を避け規則正しい生活を送るようにしましょう。
自毛植毛
自毛植毛は、自身の健康な後頭部の毛や皮膚組織を採取し、薄毛の部分に移植して薄毛を解消する方法のこと。大きく分けて皮膚を切り開きドナー株を移植するFUT法と、メスを使わずパンチを使用し毛根単位でドナーを移植するFUE法の2種類があります。自毛植毛は自分の皮膚組織を使用した移植のため拒絶反応が起こることは稀で、一度移植すれば半永久的に髪の毛が生えるようになるため、手術後のメンテナンスは基本的に不要というメリットがあります。
若年性脱毛症
20代~30代前半の若い世代で発生する脱毛症のこと。中には10代後半から症状が出るケースもあります。若年性脱毛症は、遺伝の他、成長期のホルモンバランスや生活習慣の乱れが主な原因。食生活の見直しなど、生活習慣の改善である程度治ることもありますが、医療機関での治療が必要な場合もあります。
ショックロス
ショックロスとは、自毛植毛後一時的に元から生えていた毛が抜けてしまうことで、手術の1~2か月後に起きることが多い現象です。自毛植毛をおこなった人のおよそ20%程度に発生します。原因は様々ですが、植毛手術の際にできる傷跡や、血流の変化などが原因と言われています。ショックロスにより抜けてしまった部分の髪の毛は、1年ほどすればまた生えてくることがほとんどです。
人工毛
人工毛とは、ポリエステル系樹脂やナイロン樹脂、塩化ビニール等を素材として作られた人工の毛のこと。人工毛を使用した植毛手術に用いられます。
人工毛植毛
ポリエステル系樹脂などの人工毛を使用した植毛方法です。人工の毛を頭皮に埋め込むことで薄毛を解消します。好きなだけ毛を埋め込むことができることや、毛が伸びるのを待つ必要がないなどのメリットがあります。しかしその一方で、拒絶反応が起きやすいことや、1年経つと50%ぐらいが抜け落ちてしまうため定期的に追加手術が必要などデメリットも大きく、現在、アメリカでは多くの州で禁じられています。
ストリップ法(FUT)
ストリップ法は通称FUTと呼ばれ、AGAの影響を受けない後頭部の毛髪部分を皮膚ごとメスで切り取り、株分けして移植する自毛植毛方法。自毛植毛を取り扱う多くのクリニックで採用されている手法ではあるものの、手術後の痛みや傷跡が大きいなど、身体への負担が大きいというデメリットがあります。
生着率
自毛植毛をおこなった際、移植した部分の皮膚が周りと融合して機能しているかどうかの確率を指します。生着率はドナー株を採取してから移植するまでの時間が長ければ長いほど低くなっていくため、自毛植毛の際はドナー株の採取から移植までをいかに短時間でおこなうかが重要になります。
成長期
薄毛治療における成長期とは、毛母細胞の細胞分裂が活発に起こり、新たな毛が太く長く成長していく期間のことです。健康な髪の毛の場合は3~6年間続きますが、AGAなどの脱毛症を患っている場合は成長期がどんどん短くなってしまい、十分成長する前に退行期へと移行してしまいます。
た行
退行期
毛母細胞が寿命を迎え、細胞分裂が減少し、髪が成長しなくなる時期のことです。成長を終えた髪の毛はその後抜け落ち、発毛の準備に入る休止期へ移行します。
脱毛
脱毛とは、人の髪の毛などの体毛の一部もしくは全部が抜けてなくなることを指します。脱毛の原因は加齢や病気の他、精神的ストレスも関与していると言われています。
男性ホルモン
ステロイドの一種で、体内で機能しているステロイドホルモンの一つを指します。別名、アンドロゲン。男性特有の体つきや体毛の発育、皮脂の分泌を促す効果があります。また、タンパク質を筋肉や内臓に変える働きもあります。
テストステロン
男性ホルモンの一種で、筋肉の増強や声の低音化、体毛の増加などをおこなうホルモンです。テストステロンが5α還元酵素と融合することにより、毛母細胞の細胞分裂の動きを阻害するため、薄毛や脱毛を引き起こすAGAの原因となります。現在はテストステロンの働きを抑制する作用のある育毛剤も登場しており、使用することで薄毛改善効果が期待できます。
デンスパッキング
デンスパッキング(dense packing)は日本語にすると「密集した植え付け」、つまり高密度の植毛の事を指します。一般の自毛植毛では1平方あたり20~35 (グラフト)の移植が通常ですが、熟練の医師や看護師のいる親和クリニックでは一度に2倍以上の60グラフト(1平方あたり)の移植が可能です。
ドナー
自毛植毛をおこなう際に、移植のために採取する自身の健康な髪の毛や細胞のことをドナーと呼びます。採取したドナーは移植する際にグラフトという単位に分けられ、使用されます。
な行
日本皮膚科学会
明治33年(1900年)12月、当時の東京帝国大学教授肥慶蔵博士の提唱によって生まれた団体で、日本の皮膚科専門医や大学教授などが多数所属しています。活動は主に皮膚の疾患に関する情報の公開や新しい治療法・新薬の評価など。植毛に関しても2010年10月4月に薄毛治療のガイドラインを発表し、その多くが指針として示されています。
ニードル法(Choi式)
992年に韓国で誕生した植毛方法で、開発者の名前からChoi式と呼ばれることもあります。専用の細い植毛針で穴開けと植え込みを同時におこなうのが特徴です。FUE法やFUT法は毛髪だけでなく皮膚組織ごと採取するのに対し、ニードル法は毛髪1本1本採取しそのまま埋め込むため、工程が少なく済み、傷跡も目立ちにくいメリットがあります。また、生え際もより自然に再現することができます。ただし、1本1本の移植になるため医師の負担が大きく、生着にも時間がかかると言われています。
は行
生え際
額などの髪の生えている部分と生えていない部分の境目のこと。生え際は髪の毛が抜けやすく、また、生えにくい部分であるため生え際の後退で薄毛に気づくパターンが多いようです。生え際の後退はAGAの特徴で、男性ホルモンが関わっていると言われています。
発毛
発毛とは、毛母細胞で作られた毛髪が成長により皮膚の外側に生えること。人の毛髪は、髪が抜ける退行期、髪が生える準備期間である休止期を経て、発毛・成長する成長期へと進んでいきます。
ハミルトン・ノーウッド分類
AGA(男性型脱毛症)の進行パターンを9種類に分類する方法です。この分類はJ・B・ハミルトンという人によって作られ、その後OT・ノーウッドという人によって改定されたため、両者の名前をとって、ハミルトン・ノーウッド分類と呼ばれています。
皮脂腺
皮脂腺とは、皮膚の内部にある腺の一つであり、皮脂を分泌して皮膚や毛髪の表面の保護・保湿をおこなっています。皮脂腺の中でも頭皮は特に発達していて髪の保護のために多量の皮脂を分泌しますが、過剰分泌になると逆に頭皮の乾燥や、毛穴に汚れがたまるなどの頭皮トラブルを引き起こします。
FUE法
FUE法は、FUT法と違い後頭部の皮膚を採取する際にメスを使わず、代わりにチューブパンチを使用し毛根単位でドナーとなる皮膚組織を採取して移植する方法です。2001年に発表され、FUT法と比べ傷跡が小さく痛みも少ないため、身体への負担が少なく済むのが特徴です。親和クリニックではMIRAI法の他、後頭部の刈り上げをおこなわずに移植をおこなうNC-MIRAI法などの種類があります。
フィナステリド
フィナステリドは、アメリカのメルト社が開発したAGA(男性型脱毛症)の原因である5αリダクターゼの活動を阻害するためのAGA治療薬です。もともとは前立腺の病気を治療するために用いられていました。日本では、MSD株式会社(旧:万有製薬)が製造販売承認を取得し、「プロペシア」という商品名で内服薬として発売されています。日本皮膚科学会の脱毛症診療ガイドラインにおいても、フィナステリドの内服はAGA治療で強く推奨されています。
ま行
マイクログラフト
自毛植毛における移植株の単位のこと。自毛植毛の手術の中で一番よく使われる単位は、このマイクログラフトです。採取した米粒半分ほどの大きさの株から1~3本の毛髪を含み直径1mm単位に切り分け、移植に使用します。
ミニグラフト
ミニグラフトとは、後頭部から採取した皮膚組織を、4~6本の髪の毛を含み直径1~2mm単位に分割した株のことを指します。
ミノキシジル
ミノキシジルは、現ファイザー社が開発した降圧剤です。もともとは血圧を下げるために作られたものですが、使用した人に多毛症の症状が出たため、発毛剤としての効果があるとして全世界で薄毛治療に用いられるようになりました。市販薬として、日本では大正製薬のリアップ🄬シリーズが販売されています。
メガセッション
メガセッションとは、自毛植毛の手術において、一度に大量に植毛を行うことを指します。親和クリニックの「ハイスピード・メガセッション」では、1度の手術で3,000株以上の大量植毛が可能です。グラフトを素早く採種し、移植することで手術時間を短縮し、身体への負担を軽減します。また高度な移植技術によって、細胞へのダメ―ジを最小限に抑えることで、生着率を高めつつ、自然な仕上がりを実現します。
毛乳頭
毛乳頭は、毛細血管から髪の毛の生産に必要なビタミン・ミネラル・アミノ酸といった栄養を取り込み毛母細胞に送るための組織のこと。毛母細胞に発毛・脱毛の司令を出すなどコントロールの役割も担っています。毛根の底のくぼみの部分に存在し、中には神経や毛細血管が集中しています。
毛母細胞
毛乳頭とは、毛乳頭を取り巻くように存在する細胞のことを指します。毛乳頭から栄養を受け取った毛母細胞が分裂を繰り返すことによって、毛髪は成長していきます。毛母細胞を活性化させることで、抜け毛や薄毛を防ぐことが可能です。また毛母細胞は、毛髪をつくり出す際に、メラニサイト(色素形成細胞)がつくるメラニン色素を受けとって髪に色をつける働きもしています。
毛周期(ヘアサイクル)
「毛周期」とは、毛髪が生え変わる一定サイクルのことで、ヘアサイクルとも呼ばれます。毛髪は「成長期(初期、後期)」「退行期」「休止期」の3つの過程を繰り返すことで成長しています。AGA(男性型脱毛症)の場合は、毛周期が乱れ「成長期」が短縮されることで、毛髪が十分に育たず細く短い状態のまま抜け落ちてしまうのです。
ら行
リノール酸
リノール酸はひまわりやとうもろこしなどの油脂、クルミ・ナッツ類などに含まれる成分で、コレステロールを下げる効果のある不飽和脂肪酸の1つ。リノール酸が入った食品を食べることで髪の毛の毛母細胞の血管を拡張し、毛根まで栄養を行き渡らせる効果が期待できます。
立毛筋
立毛筋(りつもうきん)とは、毛包に付着する微小な筋繊維のことであり、起毛筋(きもうきん)とも呼ばれます。立毛筋の収縮により髪の毛を始めとした体毛が垂直方向に立ち、周囲の毛孔部はやや隆起する現象(鳥肌)が起きます。
老人性脱毛症
加齢に伴い薄毛や抜け毛が進行することを老人性脱毛症と言います。AGAは20代後半~30代前半の若い男性にも見られるのに対し、老人性脱毛症は高い年齢の人に見られます。AGAと異なり薄毛の進行を止めることは難しいため、生活習慣を改善し少しでも薄毛の進行を遅らせることが大切です。