若年性脱毛症

脱毛症の分類に「若年性脱毛症」という病態はなく、一般に、40~50歳代で発症することの多いAGAが、20~30歳代で発症したものを指す場合が多いようです。ただ、最近は生活リズムの乱れや過剰なダイエットなどが原因で、10歳代~20歳代の女性に脱毛症状が現れることも増えています。

主因は「生え替わりサイクル」の乱れ。

「薄毛相談室」のページで説明したように、毛髪の生え替わりサイクル(毛周期)は「成長期」と「休止期」によって構成されています。
毛根の毛乳頭細胞によって作られた新しい細胞は、頭皮に向けて押し上げられて毛幹となり、その後、1日あたり平均0.3mmほどのペースで伸び続けます。その後、3~6年でその細胞は寿命を終え、3ヵ月ほどの休止期を経てから、毛乳頭細胞が再び細胞分裂を開始…といった具合に、毛周期が規則正しく繰り返されることで、生涯を通じて髪の毛は伸び続けるのです。
ところが近年、女性のライフスタイルの多様化に伴って毛周期が狂い、まだ抜ける時期ではない毛髪が抜けたり、毛根が休止期から成長期に移行するのが遅れたりすることで毛髪の本数が減少するケースが増えてきました。
生え替わりサイクルの乱れにより、頭髪全体のボリュームが低下する状態が、女性の「若年性脱毛症」と呼ばれるようになりました。

主因は睡眠不足や栄養の偏りなど多種多様。

女性の若年性脱毛症の原因として多く見られるのは、睡眠不足による自律神経の乱れ。深夜までスマホゲームやSNSを使っていて、良好な睡眠が取れていない生活が続くと、自律神経が乱れて血流が悪くなり、頭皮と毛根に十分な栄養が行きわたらなくなります。それが原因となり、生え替わりサイクルが乱れてしまうのです。
過度のダイエットによる栄養の偏りや不足が、若年性脱毛症の原因となるケースも多く見られます。「FAGA」のページで解説したように、女性の毛髪の健康な生育には、女性ホルモンの1つであるエストロゲンが必要不可欠。ところが無理なダイエット、特に栄養バランスを全く考慮しない“○○抜きダイエット”を続けると、ホルモン分泌のバランスが崩れ、薄毛になりやすくなるのです。
髪のカラーリング剤やパーマ液等が頭皮にダメージを与えて、毛髪の生育を悪化させているケースも見られます。

まずは専門医を受診して生活習慣の見直しを

薄毛や脱毛の原因が、主に生活リズムや食生活にあると思われる以上、症状改善のために行わねばならないのは生活習慣の見直しと改善です。ただ、女性の脱毛症に詳しい皮膚科専門医を1度は受診し、医療的な介入の必要性について確認しておくべきです。
ホルモンバランスの乱れが非常に大きい場合、中高年女性に多いFAGAが30歳代あたりから始まるケースもあり、その場合は生活習慣の見直しくらいでは症状の進行を抑えられないことがあります。また、何らかの内分泌系疾患が隠れている可能性も完全には否定できません。カラーリング剤などで頭皮が著しく傷んでいる場合は、皮膚科的治療を行うことで、より効果的な症状の改善が期待できるはずです。