抜け毛

「抜け毛」は、「正常な抜け毛」と「脱毛症に分類すべき抜け毛」とに大別されます。疾患的要因が全く無い人でも、1日平均90本ほどの髪が抜け落ちており、これを「脱毛症」と言わないからです。ここでは、様々な原因によって抜ける本数が生える本数を上回り、毛髪が薄くなる、頭皮が露出するなどの状態になる抜け毛について解説します。

日常生活の中にも、抜け毛の原因はあります。

このページでは、「脱毛症に分類すべき抜け毛」について説明しますので、正常な抜け毛(「毛周期」による抜け毛)については本サイトの「毛髪の基礎知識」ページをご参照下さい。まず、日常生活における何らかの“習慣”が、脱毛症の原因となるケースがあります。
皮膚科を訪れる患者さんの中で多いのが、過剰なダイエットによる栄養の偏りや、喫煙習慣による頭皮の血行不良による抜け毛です。過剰なストレスや、習慣的な睡眠不足も脱毛症の原因となり得ます。
女性の場合、妊娠・出産によるホルモンバランスの大幅な変化が原因で、一時的にFAGAを発症することもあります。また、髪を一定方向に引っ張り続ける、いわゆる“ひっつめ髪”スタイルを習慣化したり、いつも同じ場所に分け目をつけたりすることで、引っ張られている箇所の毛根に負担がかかり過ぎて抜け毛が起きやすくなることもあります。

疾患的要因の抜け毛について

男性ホルモンの働きが活性され過ぎることによるAGA、更年期障害などによる女性ホルモン分泌量で発症するFAGAは、皮膚科の診療対象となる脱毛症の代表例です。「女性の円形脱毛症」ページで紹介した円形脱毛症の中にも、自己免疫疾患や何らかの感染症など、疾患的要因が抜け毛の原因となっているものがあります。
AGAなどと比較すると非常に少ない症例ですが、水虫などの原因にもなる白癬菌が頭皮や毛髪そのものに感染し、頭皮の炎症と脱毛が生じる「白癬症」という皮膚疾患もあります。また、関節リウマチや膠原病など全身性の自己免疫疾患が原因となって脱毛症を発症するケースもあります。

専門医を受診して原因の解明を

正常範囲の抜け毛なのか、早めの対処が必要な疾患的要因による抜け毛なのかの判断は、自分ではなかなかできません。
特に一定以上の年齢の方の場合、加齢によって頭皮が固くなり、血行が悪くなることで薄毛・抜け毛が進行することが珍しくありません。そのこと自体は、ごく一般的な老化現象であり「疾患」とは見なしませんが、ご本人にとって深刻な悩みの原因になるようであれば、できるだけ早めに治療を開始した方が良いからです。
何らかの皮膚疾患が原因の抜け毛も、皮膚科専門医が診断しなければ、適切ではない薬を処方される可能性があります。まずは皮膚科専門医を受診し、正確な診断に基づく適切な治療や指導を受けるようにして下さい。