診療案内

Column

自毛植毛に関するコラムをご紹介します。

医師の立場として認める対策とは 薄毛の治療法

私は、治療に対して「これが絶対」と推奨する考えは一般には通用しないと思っております。「薬治療」や「植毛」など様々な治療法がありますが、基本的にこれといった一番良いといえる治療というものはなく、私はそれぞれの脱毛患者個人の脱毛状況あるいは希望する手段に応じた治療法をまず考えるようにしています。

薬治療とは

治療方針を決定する前に、十分な問診と診察を行い、どういうタイプの脱毛か、その原因は何なのか、症状が顕在化しているのは頭部のどの部分か、どの程度まで進行しているか…などを正確に診なければなりません。
その上で、男性ホルモンの活性が高すぎることによるAGAであることがはっきりしたら、ホルモンを活性させる酵素の働きをブロックする「プロペシア(一般名フィナステリド)」が第一選択です。
ただ、男性ホルモンを活性させる酵素にはⅠ型とⅡ型の2種類があり、プロペシアは主にⅠ型に作用します。そのため、両方の酵素が関係していると思われる場合、プロペシアより幅広いタイプの脱毛に有効な「ザガーロ(一般名:デュタステリド)」という内服薬や、外用薬(塗り薬)のミノキシジル、注射剤など、患者さんの症状に最も適した治療薬を選択します。

自毛植毛とは

頭皮は、全身の皮膚の中でも特に血流が多く、微細な傷などの修復スピードも速い箇所です。したがって自毛植毛治療の中でも、毛根周辺組織を数本ごとの「株(グラフト)」として1株ずつ採取し、それを極細の移植ホールに空気圧で移植する親和クリニックの「MIRAI法」は、皮膚医学的に見て非常に理にかなった治療法です。健康上の問題がなければ、グラフトとして移植した毛包のうち85~90%程度はきちんと生着するはずです。親和クリニックの自毛植毛には「MIRAI法」の他、刈り上げることなく施術できる「NC-MIRAI法」もあります。
男性だけでなく女性にも施術できる点、高齢の方でも安全に受けられる点も、自毛植毛治療のアドバンテージと言えるでしょう。また、何らかの疾患で薬物治療を受けているため、抜け毛・薄毛治療のための内服薬が処方しにくい患者さんに対しても、自毛植毛治療ならば安心して提案できます。

人工毛植毛とは

「人工毛植毛」とはナイロン製の人工毛髪を、自毛植毛の「移植」と同様の方法で頭皮に埋め込む手術です。人工毛は、生体適合性の高い素材を“アンカー”としての毛根部分に設けているので、引っ張り強度は通常の毛髪以上。もちろん、年齢・性別を問わず施術可能です。
ただ、作られた人工毛を植え付けるので、伸びることもなく、抜け落ちてしまった場合は生え変わりません。また、体が異物と判断して拒絶反応を起こす可能性もあります。年1~2回の定期的なメンテナンス(毛の追加)が必要となります。